つむぐ 結城紬Stories プロローグ（「目標」と「言い訳」）
小山市地域おこし協力隊の横山賢さんのいつもの「無茶ぶり」からこの話ははじまります。
正直、「結城紬、ましてや小山市の歴史の専門家でもない自分にそがんことできると（そんなことできるのか）？やってよかと（やっていいのか）？」としばらく自問していました。
自己紹介が遅れました。長峰博之といいます。小山高専で歴史学をやっています。
専門は中央ユーラシア（モンゴル帝国／ジョチ・ウルス）史でして、まったく畑違いなので尻込みしたのです（いま現在もしていますが）。
しかし先日、坂入染色店で実際の作業工程を見学させていただいたときにそんなためらいは吹き飛びます。
伝統工芸士である坂入則明さんの「技」と「心」を目の当たりにしたからです。それは、「これでもか」というくらいに細かさと美しさを追い求めた、糸つむぎから染色、機織りまで、すべての工程が気の遠くなる作業の繰り返しである、「尋常じゃない」世界でした。しかも、坂入さんは「楽しい」と笑って言うのです！すごすぎます。
小山歴8年目の衝撃でした。少し知ったつもりでいましたが、自分は結城紬について何もわかっていなかったことを思い知りました。結城紬に関わる人たちのパッションにただただ圧倒されました。そこで、「一人でも多くの小山市民にこの「尋常じゃない」結城紬ワールドを知ってもらいたい！」という思いから、専門外である自分の力不足は承知のうえで、結城紬の歴史小話を「つむいで」みようと思います。
ただ、ちょっと「言い訳」させてください。これから「つむぐ」お話のほとんどは先人たちのお仕事に拠っています。こうした偉大なお仕事に拠りつつ、自分なりにお話を「つむいで」いきたいと思いますが、なにせ素人ですので、恥ずかしい誤記や勘違いなどあると思います。その際は、ぜひみなさまからご教示・補足いただけますとありがたいです。よろしくお願いいたします。
目標：『小山市民の半分が「結城紬ってあれだよね」と話ができるようになる』と素敵だな、です。
＊「神は細部に宿る」という言葉があるのですが、今回はあまり細部には立ち入らずに結城紬の歴史小話を「つむいで」いきたいと思います。ただし、複雑なものごとを単純化しすぎるのはよくありませんので、随所に（ ）や＊のかたちで補足を入れたいと思います。ちょっと読みにくくなるかもしれませんが、ご容赦ください。
＊もしさらに細部を知りたいという人がいましたら、ぜひ参考文献にあげる本をご覧ください。小山駅西口にある「おやま本場結城紬クラフト館」もおすすめです。
次回は、『つむぐ 〜結城紬Stories〜 伝統を「普段着」る』をお届け予定です！
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「結城紬×Arts×歴史で企画をやりたいので、思わず語りたくなる結城紬の歴史ネタをお願いします！」